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EEX/TOCOM ジャパン・パワー・サミット開催報告

電力の関係者が東京に参集し、様々なイベントやセミナーに参加する「ジャパン・パワー・ウィーク」のメインイベントとして、欧州エネルギー取引所(EEX)と東京商品取引所(TOCOM)は10月18日に「ジャパン・パワー・サミット」を初共催した。TOCOMは 2019年から、EEXは2020年から日本の電力先物を扱っている。サミットには国内外から様々なバックグラウンドを持つ約300名(約150社)の業界関係者が参集し、その模様は日本語と英語でライブにてオンライン配信された。


サミットは、TOCOMの石崎CEOとEEXのクーラーCOOによる開会の挨拶で始まり、主務省である経済産業省や、東京大学、JERAなどから基調講演が行われた。日本の電力市場の現状と今後の発展について、日本のプレーヤーの視点と海外のプレーヤーの視点から、パネルディスカッションが行われた。電力市場自由化の経緯、ヘッジの必要性と課題 (現行のヘッジ会計など)、市場参加者数の増加や流動性の向上 (スパークスプレッドやオプションの導入等)、規制環境など、先物・現物市場 に関連する様々な問題やトピックが議論された。各取引所のプレゼンテーションでは、JPX/東証が最近開始したカーボン・クレジット市場に焦点を当てたのに対して、EEX傘下の LACIMA社がエネルギーリスク管理ツールを紹介した。



サミットでは様々な意見や感想が出されたが、スピーカーや参加者は概ね日本の電力先物市場の更なる発展に前向きで、あるパネリストは2026年までに先物の取引量が現在のスポット市場規模の数%から肩を並べる規模にまで成長すると予想した。欧州の電力先物市場の取引量は現物市場の数倍の規模であり、日本の電力先物市場の成長余地は大きいという指摘もあった。


ワークショップに続くレセプションでは、東北電力の土方常務執行役員が、日本の電力市場の更なる発展を祈念して乾杯の音頭をとった。


土方氏の挨拶には次のような力強いメッセージが込められていた。「一人でも多くの参加者が、それぞれの立場で価格決定プロセスに参加することが重要であり、その結果、fairな価格が決定されるということが、健全な市場の姿だと思います。つまり制度・制約による偏りは許さない。(中略)参加者が自身の価値観で価格決定プロセスに参加することが市場化の根本であり、それがゆえに市場が自由でなければならないのだと思います。」




レセプション会場は常に熱気に包まれネットワーキングも活発に行われ約8時間に及ぶサミットは成功裡に幕を閉じた。























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