2023年9月11日、FIAジャパンはJPXとの共催セミナーを東証ホールにて開催し、約130名の業界関係者が参加した。基調講演にはCFTCコミッショナーのキャロライン・ファム氏をお迎えした。
セミナーに先立ち、JPXのグループCEOの山道氏の出席のもと、ファム委員を歓迎する打鐘のセレモニーにて、日本の伝統的な「五穀豊穣」にちなみ、成長と繁栄を象徴する鐘を5回鳴らした。
ファム委員は基調講演において、規制の明確化、市場の成長、 市場アクセスの重要性などについて取り上げ、カーボンクレジットやデジタ ル資産に関する取り組みを含むCFTCの今後の課題についても言及した。加えて、ファム委員はCFTCに助 言を行うGMAC(グローバル市場諮問委員会 / Global Market Advisory Committee)における様々な課題についてのイニシア ティブについても触れた。
その後、同委員は「金融インフラにおけるデリバティブ市場の役割と今後の展望」と題したファイヤーサイドチャットに参加した。他のパネリストは、金融庁の井藤局長、日銀の浜野参事役、JSCCの小沼社長、モルガンスタンレーMUFG兼FIAジャパン理事の冨安氏だった。シティグループ証券兼FIAジャパンのバイスプレジデント柳沢氏の司会で、 幅広いトピックが取り上げられた: CFTCの重点分野、国際的な規制のハーモナイゼーション、首相肝入りの資産運用立国による家計投資を通じた日本の持続的成長について、資産運用業界の強化、金利デリバティブ市場環境、クリアリング・ハウスにおけるリスク管理等。金融庁の主導による様々なイニシアチブの結果、昨年来、日本は外国人投資家から高い関心を寄せられ、日本における拠点設立を検討している企業もあることが指摘された。
柳沢氏は、パネルディスカッションについて次のように述べた: 「先物・デリバティブ市場における様々な課題について、マクロからミクロ、海外市場から国内市場、マクロプルーデンスからミクロプルーデンスまで幅広い議題についてパネルにて議論を深めることが出来ました。
日本市場は数十年ぶりに世界の投資家の注目を集め、本格的な復活の兆しを見せています。FIAジャパンとしてこのようなシニア・エグゼクティブを招き、素晴らしいパネルを開催できたことを大変光栄に思います。 」
JPXのグループCEOの山道氏は、「このたびCFTCのファム委員及び業界リーダーの皆様をゲストにお招きできたことは大変光栄です。デリバティブ市場にかかる非常に示唆に富んだご意見もいただき、意義深いものになりました。今後もFIAジャパンとともに、世界中の投資者の皆様に対して高い流動性を持つ我が国デリバティブ市場の魅力を伝えてまいります。」と述べた。
同日夕方、FIAジャパンは日本外国特派員協会で恒例の サマーパーティーを開催した。ファム委員に加え、栗田金融庁長官にもご出席 いただき、当業界についてご講演いただいた。
その後のネットワーキング・レセプションでは、ビュッフェとカクテルを楽しみながら、FIAジャパン会員とゲストが懇親を深め、新たな顔ぶれに出会う機会となった。