2023年年末以降、日本株が上昇トレンドを描いている。日経平均株価は足元、バブル期の高値を更新する勢い。東証の改革に着目した外国人投資家の資金流入が増加していることが一因だ。そうした中で、2024年1月24日、大和アセットマネジメントが運用するiFreeETF JPXプライム150(コード:2017)が上場した。
iFreeETF JPXプライム150は、JPXプライム150指数に連動する初のETF。信託報酬は0.176%(税込)と東証上場ETFの平均の約半額での設定となっている。
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JPXプライム150指数は、JPXグループのJPX総研が2023年7月3日に算出を開始した日本を代表する“稼ぐ力”を持った企業で構成される指数だ。
JPX傘下の東京証券取引所は企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現のため、2023年3月には上場企業へ「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について要請し、計画の開示や取組みの実行を求め、市場の底上げを図ろうとしている。2024年1月には各企業の取組みの開示状況を記載した一覧を公表した。
JPX総研ではこうした取組と軌を一にする指数として、財務実績や市場評価の観点で価値創造をしている企業に着目した新指数を開発した。
東証プライム市場時価総額上位銘柄のうち、エクイティ・スプレッド(=ROE-株主資本コスト)とPBRの基準で150社を選定している。年1回銘柄入替が行われ、2024年は8月に実施予定。価値創造企業への投資を呼び込み、価値創造経営の浸透と投資家のリターンの拡大といった好循環を目指したい考えだ。
JPXプライム150指数の特徴は大きく以下3点がある。
・S&P500と同等のクオリティを有する企業群で構成。
・日本を代表する時価総額1兆円以上の企業が中心で、市場の約50%をカバー。
・TOPIXとは異なる大型グロース特性。
指数算出開始以降のパフォーマンスは、TOPIXと比較してアンダーパフォームをしているが、足元の差は小さくなっている。本指数はグロース特性があり、2023年は米金利の上昇によってグロース株にとってはアゲインストな環境であったこと、また東証からの要請でPBRが低いバリュー株の改善が寄与したことが主な要因とみられる。
JPXプライム150とTOPIX
※2023/6/30を1,000ポイントで基準化
※いずれも配当込みの値
1月24日の上場式典に出席した大和アセットマネジメントの小松社長は「日本の成長力に投資する商品であり海外投資家も注目するはず」と強調するとともに、「長期パフォーマンスはTOPIXを上回ることができるだろう」と期待感を示した。
1月24日の上場から1週間までの1日あたりの平均売買代金は9億円、1月末時点の純資産は107億円に達するなど取引は活況を呈している。
また3月18日にはJPXプライム150指数を対象とする先物取引がOSEに上場される予定であり、機関投資家や海外投資家にとっても投資しやすい環境が整う見込みだ。
日本国内では今年から新しいNISAも開始。資産形成の重要性が高まっており、日本株投資の新しい選択肢として活用されることが期待される。
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