大阪取引所(OSE)はTONA(無担保コールオーバーナイト金利)対象の短期金利先物であるTONA3か月金利先物を5月29日に上場した。
初日、5月29日の取引高は2,782単位であり、好調な滑り出しとなった。翌30日は欧米が休場の影響もあったが1,701単位取引がなされた。欧米市場がオープンした31日には夜間にも多くの取引が行われ4,351単位の取引が行われるなど、初週の一日平均取引高(ADV)は2,500枚を超えた。6月2日時点の建玉残高は3,883単位であった。
大阪取引所の担当者によると、市場関係者からのフィードバックとして、想定以上に狭く厚いクオートが提示されており、取引に結び付いたとの声が寄せられている。こうした結果を受けて、大阪取引所は、当初様子見していた国内機関投資家や海外投資家からも新規参入のための問い合わせを多く受けており、今後さらなる市場参加者の増加が期待できる。マーケットメイカーもより積極的なクオートに加え、参加者の多様化による更なる流動性向上が想定される。
上場3日間で、1番限(2023年3月限)から5番限(2024年3月限)までのそれぞれで既に数百から数千単位の取引が行われている。中でも流動性が高いのが2番限(2023年6月限)と3番限(2023年9月限)である。クオートを見ると、1ティック(1/4ベーシス)で板が詰まっている時間も多く、売・買それぞれに数千枚の注文が並んでいることも。夜間にも、数百から数千枚程度の気配が提示されており、ロンドン・ニューヨーク時間でも取引できる状況となっている。
大阪取引所としては、さらに流動性を向上させるべく国内外の機関投資家のスムーズな参入をサポートするとともに、より積極的なクオートを促すべくマーケットメイカーへの働きかけを行う。JSCCは2024年第一四半期には金利スワップとのクロス・マージンの導入を目指しており、大阪取引所も更なる利便性向上策を実施する。
<TONA3か月金利先物に関する詳細情報>